赤城山麓を前橋市石関町から伊勢崎市東町国定(あの忠治さんゆかりの)まで12`にわたって掘られた用水堀跡があります。
 築かれたのは12世紀中頃で、浅間山噴火によって荒廃した土地を荘園として整備する目的で計画された灌漑用水路とされています。誰がいつ作ったのかも記録がありません。
 とはいえ水を流したことは一度もないようです。つまり工事は完成を見ず放置されたのです。この堀を「女堀」といいます。女性には大変申し訳ないのですが、むかし役に立たなかった施設の名称に人は「女」を冠したとか。私が言ってるのではありませんから。くれぐれもよろしく。
 昭和50年代地域の開発にともない発掘調査された結果、全体像が把握され、昭和58年10月に国指定史跡となりました。史跡は前橋市と伊勢崎市赤堀地区(佐波郡赤堀町)にひろがっています。
 平成5年、史跡の保存のため堀跡に菖蒲園を作りました。それがここでご紹介する「赤堀花しょうぶ園」です。


 この菖蒲園の特徴は、まだやかましくないこと。30種、2万4千株におよぶ花が咲いている以外何もありません。
 この手の園は、提灯が列を成していたり、スピーカーからガアガア音楽を流したり、踊りがついたりするのですが、「赤堀花しょうぶ園」の場合、若干の出店はありますが景観を邪魔するほどではありません。花の近くに花名の立て札もありません。
 自然にこれほど群生するものではないでしょうから人工物であることは否定できませんが、静かに菖蒲の流れに身を浸せます。
 いずれ人気が増せばどうなるかはわかりませんが。


 赤堀しょうぶ園は上述のとおり、群馬県伊勢崎市赤堀下触町にあります。
 国道17号線(上武道路)と国道50号線にはさまれたところです。

 アクセス
 JR両毛線・東武伊勢崎線「伊勢崎駅」からタクシーで10分、
 車で行くと北関東自動車道伊勢崎インターから15分です。



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